リーベンデンタルクリニック|札幌市白石区菊水2-2藤井ビル菊水IV2階|TEL:011-815-1199
歯周病は歯の表面につくプラーク:歯垢(細菌の塊り)によっておこる文字通り、「歯の周りの病気」です。
歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎の分けられます。世間一般で言われている歯槽膿漏は、成人性歯周炎をいいますが歯周病には、その症状、病態によっていろいろな種類があります。
■歯肉炎(Gingivitis)
歯肉片縁に付着したプラークにより、歯肉に炎症が起こった状態です。アタッチメントロス(付着の喪失)を伴わないので的確な初期治療で完全に治癒します。
■成人性歯周炎(Adult Periodontitis)
もっとも多いタイプの歯周炎で、30代から始まり比較的ゆっくりと進行します。初期にはほとんど症状がなく、ブラッシング時の歯肉出血がある程度ですが、進行するにしたがって、歯肉が腫れ、膿がでたり歯がぐらついて抜けてしまうことがあります。早期発見が大事で、適切な治療により回復します。
■早期発症型歯周炎(Early-Onset Periodontitis)
成人性歯周炎と異なり、35歳未満で発症し急速に進行するのが特徴です。
■思春期前歯周炎(Prepubertal Periodontitis)
広汎型と限局型に分けられ、広汎型は乳歯が生えた後まもなく発症し、永久歯を支える組織が広範囲かつ急速に破壊され、最後には歯が抜けてしまいます。限局型は乳歯の一部に起こりゆっくりと進行します。遺伝的素因が強く女性に多くみられます。
■若年性歯周炎(Juvenile Periodontitis)
全身的には健康な10代から20代前半の若年者におこる歯周炎。成人性歯周炎と比較してプラークコントロールは良好ですが、エックス線所見として第一第大臼歯と前歯の骨吸収が特徴です。
■急速進行性歯周炎(Rapidly Periodontitis)
20代前半から30代半ばにおこる歯周炎で、歯周組織の破壊が急激で症状が急速に進行します。
■難治性歯周炎(Refractory Periodontitis)
あらゆる歯周治療を徹底的に行っても改善がみられず、再発してしまいなかなか治療効果が得られない歯周炎です。
歯周病の直接の原因はプラーク(歯垢)です。プラーク中の歯周病細菌が歯周病を起こします。口腔内には約300~400種類の細菌がいます。歯垢1㎎の中に10億個の細菌が住み着いています。その中で歯周病をひき起こす細菌が主な下記の歯周病細菌なのです。
■食べカス
歯周病(歯槽膿漏)のもっとも大きな原因は「食べカス」です。食べカスには栄養分がたっぷり含まれていますから、細菌にとっては恰好の栄養源になるというわけです。
■歯垢や歯石
歯の周囲に付着する細菌性の歯垢や歯石が、歯肉と歯の根の間の、いわゆるポケットの中に侵入していって、その中で繁殖をくりかえすことによって、歯周病を進行させていきます。
■細菌
細菌が歯肉や歯槽骨に炎症を起こし、その炎症をさらに進行させながら細菌自体が増殖し、さらにその細菌が組織を侵す攻撃力が強まり、歯周病が進行します。
■全身性疾患
血液疾患、高血圧、糖尿病などの全身性疾患が歯周病の原因になることがあります。またそのほかにも、ストレスなどの精神的なものやホルモンのバランスなどもこれに加わります。さらに服用している薬、あるいはアレルギーやビタミン欠乏などもこの因子とみられます。
■金冠やクラウンなどのかぶせ物
金冠や陶材のクラウンなどを歯にかぶせたり、入れ歯をすると食べカスがたまりやすい状態になります。
■噛み合わせ
歯の噛み合わせが悪いと肩凝りや頭痛、目まいがしたり食欲がなくなったりして、日常生活に支障をきたしますが、歯周病とも強い関連があるようです。
歯周病の原因はプラーク中の細菌です。ですからプラークコントロール、つまりプラークを確実に取り除くことが最も大切なのです。その方法として正しいブラッシングをすること。では“私はきちんと毎日ブラッシングをしているのに・・・なぜ?”と思われる方が多いと思います。成人の80%が歯周病ということですが、その方々全員がブラッシングをしていないとは考えられません。それではほとんどの方がブラッシングをしているのになぜ歯周病にかかってしまうのでしょうか。その最大の理由は、きちんと磨いているつもりでもきちんと磨けていないのが実状だからです。
歯科医師と相談しながらご自分に合ったブラッシングの方法を見つけ出し、それを続けていくことが大切です。そうすれば、自然にきちんと磨けることにつながっていくわけです。